令和元年度税制に関する改正点 
 

M E N U

令和元年(平成31年)度税制改正に関する法律が 平成31年3月27日に成立し、次の改正が行われました。

<法人税に関する改正点>
  • 中小法人の法人税率の特例の延長
  • 研究開発税制の見直し(法人税・所得税)
  • 中小企業投資促進税制の延長等(法人税・所得税)
  • 中小企業の災害に対する事前対策のための設備投資に係る特別償却の創設(法人税・所得税)
  • 租税特別措置法のみなし大企業の範囲の見直し
  • 仮想通貨に関する法人税の課税関係の整備
  •   
    <法人地方税に関する改正点>
  • 地方法人課税における新たな偏在是正措置
  •   
    <所得税に関する改正点>
  • 住宅ローン控除の特例の創設
  • 所有者不明土地の利用の円滑化等に関連する措置
  • 空き家の3,000万円控除の延長及び拡充
  • 仮想通貨に関する所得税の課税関係の整備
  • 源泉徴収における源泉控除対象配偶者等の見直し
  •   
    <個人地方税に関する改正点>
  • 住宅ローン控除の改正に伴う措置
  • ふるさと納税制度の見直し
  • 子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置
  •   
    <相続税・贈与税に関する改正点>
  • 個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度の創設
  • 個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度の創設
  • 特定事業用宅地等に係る小規模他宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の見直し
  • 教育資金の一括贈与非課税措置の見直し
  • 結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し
  • 民法(相続関係)の改正に伴う税制上の措置
  •   
    最終更新日:2019.8.17

    T O P 令和元年度税制改正点 平成30年度税制改正点

    中小法人の法人税率の特例の延長


    中小法人の年800万円以下の所得に係る法人税率を15%に軽減する措置が2年間(令和3年3月31日まで)延長されました。


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    研究開発税制の見直し


    試験研究を行った場合の税額控除制度研究開発税制(研究開発税制)は、次の4つの税額控除制度によって構成されています。

    (1)試験研究費の総額に係る税額控除(総額型)

    (2)特別試験研究費に係る税額控除(オープンイノベーション型)

    (3)中小企業技術基盤強化税制による税額控除(総額型との選択適用)

    (4)平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除(高水準型)

    研究開発の質を向上させ、積極的な研究開発投資を促す観点から、研究開発税制について、次の見直しが行われました。所得税についても同様です。

    1. 総額型の見直し

      総額型について、増加インセンティブの強化の観点から税額控除率を見直す(基準となる増減割合を8%(現行:5%)に引き上げる)とともに、研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除上限が法人税額の40%(現行:25%)に引き上げられました。

       現     行   改  正  後 
      税額控除率 試験研究費の増減に応じ6%〜14%
      (中小法人12〜17%)
      試験研究費の増減に応じ6%〜14%
      (中小法人12〜17%)
      *試験研究費が平均売上金額の10%超の場合: 上記割合×(試験研究費割合−10%(中小法人12%))×0.5を加算
      控除限度額 法人税額の25%
      [・中小法人:10%上乗せ(増加割合5%超の場合)
      ・試験研究費が平均売上金額の10%超の場合:0〜10%上乗せ
      (高水準型との選択 )]
      法人税額の25%(研究開発を行う一定のベンチャーは40%)
      [・中小法人:10%上乗せ(増加割合8%超の場合)
      ・試験研究費が平均売上金額の10%超の場合:0〜10%上乗せ
      ]

    2. 高水準型の廃止と総額型の控除上限の上乗せ措置の延長

      平成31年3月31日までに開始する事業年度をもって高水準型が廃止されます。
      高い水準の研究開発投資を行っている企業について、総額型の控除率を割増しする措置が講じられた上で、高水準型が総額型に統合され、その適用期限が2年延長されました。

    3. オープンイノベーション型の控除上限の引き上げ

      質の高い研究開発へ支援を強化する観点から、オープンイノベーション型について、対象に民間企業(研究開発型ベンチャーを含む)への一定の委託研究等が対象に追加されるとともに、控除上限が法人税額の10%(現行:5%)に引上げられました。

    4. 中小企業技術基盤強化税制の見直し

      中小企業技術基盤強化税制について、増減試験研究費割合が5%を超える場合の特例を増減試験研究費割合が8%を超える場合の特例に見直した上、その適用期限が2年延長されました。
      また、総額型と同様に、試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合に税額控除率を割り増す措置が講じられました。


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    中小企業投資促進税制の延長等


    <投資促進系の優遇税制>

    1. 中小企業投資促進税制

      令和3年3月31日まで延長

    2. 中小企業商業・サービス業・農林水産業活性化税制

      経営改善設備の投資計画の実施を含む経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が2%以上となる見込みであることについて認定経営革新等支援機関等の確認を受けることを適用要件に加え、令和3年3月31日まで延長

    3. 中小企業経営強化税制

      特定経営力向上設備等の範囲の明確化及び適正化を行った上、令和3年3月31日まで延長
      具体的には、適用対象となる建物付属設備に、働き方改革に資する設備(休憩室に設置される冷暖房設備や作業場に設置されるテレワーク用PC等)が含まれることを明確化

    4. 地域未来投資促進税制

      関係法令の改正を前提に措置を講じた上、税額控除・特別償却の割合を引き上げ、令和3年3月31日まで延長


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    中小企業の災害に対する事前対策のための設備投資に係る特別償却の創設


    近年増加している自然災害等に備えるため、青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち同法の事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画認定を受けたものが、同法の改正法の施行日から令和3年3月31日までの間に、特定事業継続力強化設備等の取得等をして、その事業の用に供した場合には、その取得価額の20%の特別償却ができるという制度が創設されました。所得税についても同様です。

    1. 中小企業者

      中小企業等経営強化法の中小企業者であって租税特別措置法第42条の4第8項第6号の中小企業者その他これに準ずる法人に該当するものをいいます。

    2. 特定事業継続力強化設備等

      中小企業等経営強化法の事業継続力強化設備等として認定事業継続力強化計画又は認定連携事業継続力強化計画に記載された機械装置、器具備品及び建物附属設備のうち、一定の規模以上のものをいいます。

      @ 機械装置(自家発電機、排水ポンプ等)
       1台又は1基の取得価額が100万円以上のもの

      A 器具備品(制震・免震ラック、衛星電話等)
       1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの

      B 建物附属設備(止水版、防火シャッター等)
       一の取得価額が60万円以上のもの

    3. 強化計画の経済産業大臣の認定

      本特例の適用を受けるには、経済産業大臣から強化計画の認定を受ける必要があります。

      @ 中小企業者の事業継続力強化に関する「基本方針」に照らし適切なものであること

      A 事業継続力強化を確実に遂行するために適切なものであること


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    租税特別措置法のみなし大企業の範囲の見直し


    現行制度においては、@同一の大規模法人(資本金の額が1億円を超える法人など)に発行済み株式の1/2以上、又は A複数の大規模法人に発行済み株式の2/3以上を直接保有されている中小企業は、みなし大企業として、中小企業向けの租税特別措置の適用対象外となっていました。

    また、資本金5億円以上の大規模法人の孫会社に該当する場合においては、これまで、租税特別措置法上のみなし大企業に該当しませんでしたが、平成31年度から、資本金5億円以上の大規模法人の孫会社についても、中小企業向けの租税特別措置の適用対象外となるよう、見直しが行われました。

    法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置等におけるみなし大企業の範囲について、次の見直しが行なわれました。

    1. 事業承継ファンドを通じて株式を保有されている場合の措置が講じられました。

      中小企業等経営強化法の事業再編投資計画の認定に係る投資事業有限責任組合の組合財産である株式を発行した中小企業者について、@中小企業投資促進税制、A特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度、B中小企業経営強化税制、C被災代替資産等の特別償却制度、Dみなし大企業の判定における大規模法人 の有する株式又は出資から、その投資事業有限責任組合に係る組合員の出資をした独立行政法人中小企業基盤整備機構の有する株式が除外されました。

    2. みなし大企業の判定において、大規模法人に次の法人を加えるとともに、その判定対象となる法人の発行済株式又は出資からその有する自己の株式又は出資が除外されました。

      @ 大法人の100%子法人

      A 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を保有されている法人

      (注)「大法人」とは、資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上である法人、相互会社若しくは外国相互会社(常時使用従業員数が1,000人超のものに限る。)又は受託法人をいいます。


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    仮想通貨に関する法人税の課税関係の整備


    法人税における仮想通貨の評価方法等について、次のとおり時価法を導入する等の措置が講じられました。

    @ 法人が事業年度末に有する仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨については、時価評価により評価損益を計上する。

    A 法人が仮想通貨の譲渡をした場合の譲渡損益については、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度に計上する。

    B 仮想通貨の譲渡に係る原価の額を計算する場合における一単位当たりの帳簿価額の算出方法を移動平均法又は総平均法による原価法とし、法定算出方法を移動平均法による原価法とする。

    C 法人が事業年度末に有する未決済の仮想通貨の信用取引等については、事業年度末に決済したものとみなして計算した損益相当額を計上する。

    上記の改正は、平成31年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税についてされます。
    なお、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については、会計上仮想通貨につき時価評価していない場合には、上記@及びCを適用しないことができる経過措置が講じられます。


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    地方法人課税における新たな偏在是正措置


    地域間の財政力格差の拡大、経済社会構造の変化等を踏まえ、県内総生産の分布状況と比較して大都市に税収が集中する構造的な課題に対処し、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展するため、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税が創設されました。

    1. 法人事業税(所得割及び収入割に限る。)の税率の改正

      法人事業税の標準税率が次のとおりとされ、令和元年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

      資本金の額1億円超の普通法人の所得割の標準税率
      所得金額現   行改 正 後
      年400万円以下1.9%0.4%
      年400万円超年800万円以下2.7%0.7%
      年800万円超3.6%1%


      資本金の額1億円以下の普通法人の所得割の標準税率
      所得金額現   行改 正 後
      年400万円以下5%3.5%
      年400万円超年800万円以下7.3%5.3%
      年800万円超9.6%7%


      特別法人の所得割の標準税率
      所得金額現   行改 正 後
      年400万円以下5%3.5%
      年400万円超6.6%4.9%
      特定の協同組合等の年10億円超7.9%5.7%


      収入金額課税法人の収入割の標準税率
      収入金額現   行改 正 後
      電気供給業、ガス供給業及び保険業を行う法人1.3%1%


    2. 特別法人事業税の創設

      法人事業税の振り代わりとして、特別法人事業税が創設されます。

      1. 納税義務者等

        特別法人事業税は、法人事業税(所得割又は収入割)の納税義務者に対して課する国税とする。

      2. 課税標準

        法人事業税額(標準税率により計算した所得割額又は収入割額とする。)

      3. 税率

        所得割額又は収入割額 税   率
        付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額に
        よって法人事業税を課税される法人の所得割額
        260%
        所得割額によって法人事業税を課税される
        普通法人等の所得割額
        37%
        所得割額によって法人事業税を課税される
        特別法人の所得割額
        34.5%
        収入割額によって法人事業税を課税される
        法人の収入割額
        30%

      4. 申告納付

        特別法人事業税の申告納付は、都道府県に対して、法人事業税と併せて行うものとする。

      5. 賦課徴収

        特別法人事業税の賦課徴収は、都道府県において、法人事業税と併せて行うものとする。

      6. 国への払込み

        都道府県は、特別法人事業税として納付された額を国の交付税及び譲与税配付金特別会計に払い込むものとする。

      特別法人事業税は、令和元年10月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

    3. 特別法人事業譲与税の創設

      特別法人事業税の収入額を、使途を限定しない一般財源として都道府県へ譲与する特別法人事業譲与税が創設されます。
      特別法人事業譲与税の譲与の基準は以下のとおりとされ、令和2年度から譲与されます。

      @ 特別法人事業税の収入額を人口で按分した額を各都道府県への譲与額とする。

      A 当該年度の普通交付税の財源超過団体に対しては、@による譲与額から当該譲与額の75%に相当する額(当該額が当該財源超過団体の財源超過額(@に基づく譲与が行われたとした場合の財源超過額とする。)を超える場合には、当該財源超過額)を控除した額を譲与する。

      B 当該年度の普通交付税の財源超過団体以外の都道府県に対しては、Aで控除した額をこれらの都道府県の人口で按分した額を@の譲与額に加算した額を譲与する。

      C Aの財源超過額は、東京都においては、特別区との合算額を用いる。

    4. その他

      @ 特別法人事業税の創設に伴い、法人事業税交付金の交付水準に変動が生じないよう、交付率を7.7%(現行:5.4%)に引き上げる。その際、交付金の算定基礎から、法人事業税の超過課税分を除く措置を講ずる。

      A 平令和2年2月以降に都道府県から国に払い込まれた地方法人特別税の収入額を特別法人事業譲与税の原資に加える等の所要の措置を講ずる。

      B 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税については、施行後適当な時期において、施行後の状況を勘案し、必要があると認めるときは、検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

      C 都道府県の財政運営に支障が生じないよう、法人事業税の標準税率の引下げ並びに特別法人事業税及び特別法人事業譲与税の創設により減収が生じる場合に、地方債の発行を可能とする措置を講ずる。


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    住宅ローン控除の特例の創設


    消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化の観点から、住宅に関する税制上の支援策が講じられました。

    1. 消費税率10%が適用される住宅取得等について、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合に、従来からの住宅ローン控除の控除期間(10年)を経過後3年延長されます。

    2. 11年目以降の3年間で消費税率2%引き上げ分に対応する金額相当の控除が適用できます。
      ただし、ローン残高が少ない場合は、これまで通り住宅ローン年末残高に応じて税額控除します。

      具体的には、 各年において、以下のいずれか少ない金額を税額控除します。 @ 建物購入価格の2/3%

      A 住宅ローン年末残高の1%

      (注)入居11〜13年目についても、所得税額から控除しきれない額は、改正前の制度と同じ控除限度額の範囲で個人住民税額から控除します。


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    所有者不明土地の利用の円滑化等に関連する措置


    「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」に基づく地域福利増進事業の事業区域内の土地等について、以下に掲げる譲渡が長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率)の対象とされました。

    1. 優良住宅地の造成等のために土地を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用対象

      @ 確知所有者(判明している持分所有者)が所有する特定所有者不明土地等(所有者不明土地のうち、現に建築物が存せず、かつ、業務の用その他の特別の用途に供されていない土地及びその上に存する権利)

       土地使用権の取得についての都道府県知事による裁定後に、当該事業実施者に対して行う持分の譲渡

      A その他の事業区域内の土地等(隣地)

       地域福利増進事業の権利取得計画に沿って当該事業実施者に対して行う譲渡

    2. 収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除等の適用対象

      所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する土地収用法の特例の規定による収用があった場合には、収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除等の適用対象とされました。法人税についても同様です。

    この改正は、令和元年6月1日以後の譲渡について適用されます。


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    空き家の3,000万円控除の延長及び拡充


    空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、改正前の制度では、被相続人が相続の直前まで対象家屋を居住の用に供していた場合に限り特例の適用ができました。

    被相続人が対象家屋から転居し、相続の直前に老人ホーム等に入居していた場合も下記の一定の要件の下で適用対象とすることに緩和され、適用期限が令和5年12月31日まで4年延長されました。

    • 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受けていたこと

    • 老人ホーム等に入居後も(老人ホーム等と対象家屋を行き来するなどして)引き続き対象家屋が使用されていたこと

    • 老人ホーム等への入居時から譲渡時まで、対象家屋が、他の者の居住、貸付、事業の用に供されていたことがないこと等

    この改正は、平成31年4月1日以後の譲渡について適用されます。


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    仮想通貨に関する所得税の課税関係の整備


    個人が保有する資金決済に関する法律に規定する仮想通貨につき、その者の所得の金額の計算上、必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる期末において有する仮想通貨の価額は、移動平均法又は総平均法により算出した取得価額をもって評価した金額とするほか、所要の措置が講じられました。


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    源泉徴収における源泉控除対象配偶者等の見直し


    源泉徴収及び確定申告における配偶者に係る控除の適用について、次のように見直されました。

    1. 給与等又は公的年金等の源泉徴収における源泉控除対象配偶者に係る控除の適用については、夫婦のいずれか一方しか適用できないこととする。

    2. 居住者の配偶者が、公的年金等の源泉徴収において源泉控除対象配偶者に係る控除の適用を受け、かつ、公的年金等に係る確定申告不要制度の適用を受ける場合等には、その居住者は、確定申告において配偶者特別控除の適用を受けることができないこととする等の所要の措置を講ずる。

    この改正は、令和2年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに令和2年分以後の所得税について適用されます。


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    住宅ローン控除の改正に伴う措置


    所得税の住宅ローン控除の改正により延長される控除期間(11年目〜13年目)において、所得税額から控除しきれない額について、現行制度と同じ控除限度額(所得税の課税総所得金額等の7%(最高136,500円))の範囲内で個人住民税額から控除されます。

    この措置による個人住民税の減収額は、全額国費で補てんされます。


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    ふるさと納税制度の見直し


    ふるさと納税制度の健全な発展に向けて、一定のルールの中で創意工夫することにより全国各地の地域活性化に繋げるため、過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税の対象外にすることができるよう、個人住民税における都道府県又は市区町村に対する寄附金に係る寄附金控除額について見直しが行われました。

    <返礼品の要件>

    1. 返礼品の返礼割合を3割以下とすること

    2. 返礼品を地場産品とすること

    この改正は、令和元年6月1日以後に支出された寄附金について適用されます。


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    子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置


    子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置が講じられました。

    この改正は、令和3年分以後の個人住民税について適用されます。

    (注)平成30年度税制改正における給与所得控除等から基礎控除への振替(10万円)に伴い、令和3年度分以後の個人住民税から非課税措置の合計所得金額要件が125万円から135万円になります。


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    個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度の創設


    認定相続人が、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの間に、相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税の納税を猶予する制度が創設されました。

    1. 認定相続人

      承継計画に記載された後継者であって、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の規定による認定を受けた者をいう。

    2. 特定事業用資産

      被相続人の事業(不動産貸付事業等を除く。)の用に供されていた土地(面積400uまでの部分に限る。)、建物(床面積800uまでの部分に限る。)及び建物以外の減価償却資産(固定資産税又は営業用として自動車税若しくは軽自動車税の課税対象となっているものその他これらに準ずるものに限る。)で青色申告書に添付される貸借対照表に計上されているものをいう。

    3. 承継計画

      認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けて作成された特定事業用資産の承継前後の経営見通し等が記載された計画であって、平成31年4月1日から令和6年3月31日までの間に都道府県に提出されたものをいう。

    4. 猶予税額の計算

      猶予税額の計算方法は、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例と同様とする。

    5. その他の要件

      @ 被相続人は相続開始前において、認定相続人は相続開始後において、それぞれ青色申告の承認を受けていなければならない。

      A 認定相続人は、相続税の申告期限から3年毎に継続届出書を税務署長に提出しなければならない。

      B 認定相続人が、相続税の申告期限から5年経過後に特定事業用資産を現物出資し、会社を設立した場合には、当該認定相続人が当該会社の株式等を保有していることその他一定の要件を満たすときは、納税猶予を継続する。

      C 被相続人に債務がある場合には特定事業用資産の価額から当該債務の額(明らかに事業用でない債務の額を除く。)を控除した額を猶予税額の計算の基礎とする、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度における資産管理会社要件を踏まえた要件を設定する等の租税回避行為を防止する措置を講ずる。

      D この納税猶予の適用を受ける場合には、特定事業用宅地等について小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができない。

      E その他非上場株式等についての相続税の納税猶予制度の特例に準ずる措置のほか所要の措置を講ずる。

    この改正は、平成31年1月1日以後の相続について適用されます。


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    個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度の創設


    認定受贈者(18歳(令和4年3月31日までの贈与については、20歳)以上である者に限る。)が、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの間に、贈与により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定受贈者が納付すべき贈与税額のうち、贈与により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する贈与税の納税を猶予する制度が創設されました。

    1. 認定受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人以外の者であっても、その贈与者がその年1月1日において60歳以上である場合には、相続時精算課税の適用を受けることができる。

    2. 猶予税額の納付、免除等については、相続税の納税猶予制度と同様とする。

    3. 贈与者の死亡時には、特定事業用資産(既に納付した猶予税額に対応する部分を除く。)をその贈与者から相続等により取得したものとみなし、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税を計算する。その際、都道府県の確認を受けた場合には、相続税の納税猶予の適用を受けることができる。

    この改正は、平成31年1月1日以後の贈与について適用されます。


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    特定事業用宅地等に係る小規模他宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の見直し


    特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、次のように見直されました。

    @ 特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等を除外する。

    A ただし、@に該当する場合でも、その宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、その宅地等の相続時の価額の15%以上であれば、適用対象とする。

    この改正は、平成31年4月1日以後の相続について適用されます。
    ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については適用されません。


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    教育資金の一括贈与非課税措置の見直し


    直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について、次のように見直され、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長されました。

    1. 受贈者の所得要件の新設

      贈与時の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、適用できないこととする。

      この改正は、平成31年4月1日以後に取得する教育資金の贈与について適用されます。

    2. 教育資金の範囲

      23歳以上の者の教育資金の範囲について、@学校等に支払われる費用、A学校等に関連する費用(留学渡航費等)、 B学校等以外の者に支払われる費用で、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するために支払われるものに限定することとする。

      この改正は、令和元年7月1日以後に支払われる教育資金について適用されます。

    3. 残高に対する贈与税の課税について

      30歳到達時において、現に@学校等に在学し又は、A教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合には、その時点で残高があっても、贈与税を課税しないこととし、その後、@又はAの事由がなくなった年の年末に、その時点の残高に対して贈与税を課税することとする。ただし、それ以前に40歳に達した場合には、その時点の残高に対して贈与税を課税する。

      この改正は、令和元年7月1日以後に受贈者が30歳に達する場合について適用されます。

    4. 贈与者死亡時の残高

      贈与者の相続開始前3年以内に行われた贈与について、贈与者の相続開始日において受贈者が次のいずれかに該当する場合を除き、相続開始時におけるその残高を相続財産に加算することとする。

      @ 23歳未満である場合

      A 学校等に在学している場合

      B 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

      この改正は、平成31年4月1日以後に贈与者が死亡した場合について適用されます。


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    結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し


    直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について、次のように見直され、適用期限が令和3年3月31日まで2年延長されました。

  • 受贈者の所得要件の新設

    贈与時の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、適用できないこととする。

    この改正は、平成31年4月1日以後に取得する結婚・子育て資金の贈与について適用されます。


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    民法(相続関係)の改正に伴う税制上の措置


    平成30年7月に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が公布され、相続に関する規律が見直されたことに伴い、新たに創設された配偶者居住権や特別寄与料に対する課税など、相続税等について所要の改正を行うこととされました。

    1. 配偶者居住権等の評価

      相続税における配偶者居住権等の評価額を次のとおりとする。

      @ 配偶者居住権

       建物の時価−建物の時価×(残存耐用年数−存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

      A配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という。)の所有権

       建物の時価−配偶者居住権の価額

      B配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利

       土地等の時価−土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率

      C居住建物の敷地の所有権等

       土地等の時価−敷地の利用に関する権利の価額

      (注1)「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とする。

      (注2)「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいう。

      (注3)「存続年数」とは、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める年数をいう。

         イ 配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間である場合

          配偶者の平均余命年数

         ロ イ以外の場合

          遺産分割協議等により定められた配偶者居住権の存続期間の年数
          (配偶者の平均余命年数を上限とする。)

    2. 特別寄与料に係る課税

      被相続人の療養看護等を行った親族(相続人等を除く)が、相続人に対して金銭(特別寄与料)の支払請求をすることができる制度が創設されました。

      特別寄与料に係る課税について、次のとおりとする。

      @ 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税する。

      A 上記@の事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、当該事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない。

      B 相続人が支払うべき特別寄与料の額は、当該相続人に係る相続税の課税価格から控除する。

      C 相続税における更正の請求の特則等の対象に上記@の事由を加える。


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