- 一般試験研究費の額に係る税額控除制度(一般型)の見直し
(1)税額控割合の見直し
試験研究費割合(※1)が10%以下の場合で、増減試験研究費(※2)が9.4%を超える場合の特例が、
増減試験研究費割合が12%を超える場合の特例に見直された上、税額控除割合の上限を14%(原則:10%)
とする税額控除割合の上乗せ特例の適用期限が3年延長されました。
また、税額控除割合の下限が1%(改正前:2%)に引き下げられました。
<税額控除率>
・増減試験研究費割合が12%超の場合
11.5%+(増減試験研究費割合−12%)×0.375(上限14%)
・増減試験研究費割合が12%以下の場合
11.5%−(12%−増減試験研究費割合)×0.25(下限1%)
※1 試験研究費割合=試験研究費÷平均売上金額
平均売上金額=当期と過去3年間の売上高の平均
※2 増減試験研究費割合=(試験研究費−比較試験研究費)÷比較試験研究費
比較試験研究費=過去3年間の試験研究費の平均
(2)控除上限額の見直し
控除上限額(原則:調整前法人税額の25%)について、変動型控除上限の特例(控除上限額の上乗せ・減算特例)が創設された上、
試験研究費割合が10%を超える場合の控除上限額の上乗せ特例の適用期限が3年延長されました。
@変動型控除上限の創設
<控除上限額に上乗せ又は減算される金額>
・増減試験研究費割合が4%を超える場合
調整前法人税額×(増減試験研究費割合−4%)×0.625(最大:5%)
・増減試験研究費割合が▲4%を下回る場合
調整前法人税額×{0%−(増減試験研究費割合の絶対値−4%)×0.625} (最小:▲5%)
A上乗せ特例の延長
試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合における税額控除率の特例及び
控除上限額の上乗せ特例の適用期限が3年延長されました。
B基準年度比売上金額減少割合が2%以上等の場合における控除上限額の5%上乗せ特例は、
令和5年3月31日の適用期限の到来をもって廃止されます。
- 中小企業技術基盤強化税制の見直し
(1)税額控除割合の見直し
増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の特例が増減試験研究費割合が12%を超える場合の特例に見直された上、
税額控除割合の上限を17%(原則:12%)とする税額控除割合の上乗せ特例の適用期限が3年延長されました。
・増減試験研究費割合が12%を超える場合
12%+(増減試験研究費割合−12%)×0.375(17%上限)
(2)控除税額上限の見直し
増減試験研究費割合が9.4%を超える場合の控除上限額の上乗せ特例が増減試験研究費割合が12%を超える場合の控除上限額
(原則:調整前法人税額の25%)の上乗せ特例に見直された上、その特例及び試験研究費割合が10%を超える場合の
控除上限額の上乗せ特例の適用期限が3年延長されました。
<控除上限額に上乗せされる金額>
・増減試験研究費割合が12%を超える場合
調整前法人税額×10%
・上記以外で試験研究費割合が10%を超える場合
調整前法人税額×(試験研究費割合−10%)×2(最大:10%)
(3)基準年度比売上金額減少割合が2%以上等の場合における控除上限額の上乗せ特例は、令和5年3月31日の
適用期限の到来をもって廃止されます。
- 特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)について、
「特別試験研究費の額」の範囲の見直しが行われました。
(1)本制度の対象となる特別試験研究費の額のうち、特定新事業開拓事業者(研究開発型スタートアップ企業)
との共同研究等の費用が特別試験研究費へ追加され、その税額控除割合が25%とされました。
経済産業大臣の認定を受けたファンドからの出資を受けているなどの要件については撤廃されます。
<特定新事業開拓事業者>
次の要件を全て満たす研究開発型スタートアップ企業で、経済産業大臣から証明書の交付を受けたもの
・未上場の株式会社であること
・特定の企業グループに属さない者であること
・設立の日以後の期間が15年未満(10年以上の場合は営業損失が生じているもの)の会社であって、
直前の事業年度の確定した決算において、研究開発費の額の売上高の額に対する割合が10%以上であるもの
・ベンチャーファンド又は研究開発法人の出資先であること
(2)先導的研究開発人材に係る費用として新規高度研究業務従事者に対する人件費の額が追加され、
その税額控除割合が20%とされました。
- 各制度共通の試験研究費の額の範囲の見直し
(1)製品の製造又は技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究のために要する一定の費用
現行では、性能向上を目的としない「デザインの考案に要する費用」は 対象外になる一方で、
性能向上を目的としない「考案されるデザインに基づき行う設計及び試作に要する費用」は対象になっています。
性能向上を目的としないことが明らかな「開発業務の一部として考案されるデザインに基づき行う設計及び試作に要する費用」
についても対象外とされました。
(2)対価を得て提供する新たな役務の開発(サービス開発)に係る試験研究のために要する一定の費用
現行では、自動的にビッグデータを新たに収集する場合であること等が必要ですが、
「既存のビッグデータ」を活用する場合も対象とされました。
この改正は、令和5年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。