退職給付会計では、「退職給付引当金」、「前払年金費用」、「退職給付費用」の科目を用いて会計処理が行われます。また、財務諸表の有用性を高める観点から退職給付債務の内容などの事項について注記を行うことが求められています。

会計処理方法

1. 適用初年度期首に退職給与引当金を退職給付引当金に振替

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   退職給与引当金	×××	退職給付引当金	×××

   
   
2. 退職給付費用の計上
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   退職給付費用	×××	退職給付引当金	×××

   
   
3. 退職者に対する退職一時金の支給
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   退職給付引当金	×××	現金預金	×××

   
   
4. 年金制度での掛金拠出
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   退職給付引当金	×××	現金預金	×××

   
   
5. 従業員拠出がある場合の掛金拠出
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   従業員預り金	×××	退職給付費用	×××

   
   
6. 年金資産からの年金給付支払
   

   会計処理の必要なし

   
   
7. 年金資産（剰余金）の返還
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   現金預金	×××	退職給付費用	×××

   
   
8. 退職給付引当金がマイナス（借方残）
   

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   前払年金費用	×××	退職給付引当金	×××

   
   

   ＊翌期首の処理

   借方科目	金　額	貸方科目	金　額
   退職給付費用	×××	前払年金費用	×××

   
   

注記事項

1. 企業の採用する退職給付制度

2. 退職給付債務等の内容

(1)退職給付債務及びその内訳

�@退職給付債務
�A年金資産
�B前払年金費用
�C退職給付引当金
�D未認識過去勤務債務
�E未認識数理計算上の差異
�Fその他（会計基準変更時差異の未処理額）

(2)退職給付費用の内訳

�@勤務費用
�A利息費用
�B期待運用収益
�C過去勤務債務の費用処理額
�D数理計算上の差異の費用処理額
�Eその他（会計基準変更時差異の費用処理額、臨時に支払った割増退職金等）

(3)退職給付債務等の計算基礎

�@割引率、期待運用収益率
�A退職給付見込額の期間配分方法
�B過去勤務債務の処理年数
�C数理計算上の差異の処理年数
�Dその他（会計基準変更時差異の処理年数、実際運用収益等）